2018年9月11日火曜日

2018-09-11 AK-47


※2018年現在、「The AK-47: Questions About the Most Important Weapon Ever」はまだ翻訳されていないようだ。

https://web.archive.org/web/20101125072235/http://podcast28.blogzine.jp:80/milnewsblog/2010/10/index.html
(軍学者 兵頭二十八 の 軍事ニュース要約 "ポッドキャスト28 ミリタリーニュースブログ")
●カラシニコフはずっと芝居を演じていた。AK-47はドイツ捕虜の設計???【2010-10-13作文】
一。
 Erin McCarthy 記者による2010-10-12記事「The AK-47: Questions About the Most Important Weapon Ever」。
  新刊です。『The Gun: The AK-47 and the Evolution of War』は、NYT戦場特派員の C.J. Chivers の力作。
 元海兵隊の小隊長でもあった歴史好きのこの著者に『ポピュラーメカニクス』誌がインタビューしたよ。
 2001にアルカイダの学校テキストを調べてあっとおどろいたのさ。すべて、第1ページは、AK-47の扱い方から始まっていたんでね。
 それで、同業者や先輩にも勧められ、10年近く前から本書の執筆準備にとりかかったわけだ。
 ソ連が原爆をマスプロしはじめたのと、AK-47を量産に移したのが、同じ1949だったんだよね。
 シナ以外のほとんどの国で取材してきたよ。米国内ではペンタゴンの文書の秘密解除の交渉をするのがしちめんどうくさかったね。
 Mikhail Kalashnikov 本人にも何度も会ってみた。彼はソ連体制の中でサバイバルしてきたじいさんだから、正体を掴ませない。キャラクターと仮面が混然となってしまっている面白い男さ。
 それでやっと分かったのは、彼は農奴階級出身で無学なプロレタリアートの一傷痍兵士なんかじゃなかったってこと。ソビエトの宣伝だったんだ。彼はカネモチ階級の出身さ。そしてまた、発明の天才でもなかった。彼は、巨大な設計集団の中の一人でしかなかったんだ。
 スターリンによる大粛清の直後だったので、ソビエトは、あたらしい体制のヒーローを創出したくてたまらなかった。カラシニコフは、歳回りが若く、その候補としてピッタリだったというわけ。キャラで選ばれたんだ。まあ、運命だね。
 AK-47の中の真に重要なパーツの発明に貢献した有能な技師はどうなったか。逮捕され、反革命罪で起訴され、重労働の刑に処されてしまった。
 いまだにこの関係のアーカイブは全部公開されていないので、真相は解き明かせなかったよ、
 世界のプロパガンダの歴史が書かれるとしたら、「カラシニコフ伝説」は、最も成功した一つだろうね。※オレもすっかり騙されていたな。
 しつもん。あなたはこの本の中で、AK-47の発明こそは、ソ連の原爆発明に匹敵する、戦後世界変革要素だった——と、言いたそうですねえ。
 同年にマスプロが始まっていて、どちらもスターリンの肝煎りだからね。
 ソ連の核は、世界の国境を固定した。全面戦争を抑止した。
 ソ連のAK-47は、あらゆるレベルの暴力を多彩化したね。
 西側は、核の拡散防止には大きな努力を払った。だがAKの拡散には注意をしなかった。その結果はどうなった?
 ところであなたの身の回りに、潜水艦によって殺された親戚や友人、います? では、AKで殺された知人は?
 現実世界に与えている悪影響は、比較にならないわけです。そこに公式な注目が集らないのは、おかしいでしょ。
 ソ連は最初に、ドイツのシュツルムゲヴェールと対戦しなければならなかった。そのインパクトが大きかったので、じぶんたちの同格対抗品をつくって持とうとした。
 AK-47の設計はね、発明じゃないんだよ。あくまでも改善品なんだ。ドイツの突撃銃のね。
 例によってスターリンは、複数チームに競作させた。互いに、いくつも、試作品をつくらせてね。ものすごく熱心に。1943頃からのドイツ情報を受けて、そのコピーではなく、そのコンセプトをより簡素に実現したソ連版をね。
 Mr. Potato Head のオモチャを知っているだろう。「立体福笑い」だね。各チームは、入手可能なあらゆる部品(の案)をチョイスして、ひとつの銃をつくってみる。それを繰り返したわけだ。
 しかもドイツの降伏後、ソ連はシュツルムゲヴェールの設計に関与していたドイツ人を1人ソ連国内に連行して、カラシニコフが所属していた武器工場の近くの捕虜収容所にブチ込み、そいつを厚遇して協力させていたのさ。
 だからAK-47は、じつのところは「独ソ合作」品だったんだよ。これはソビエトとしては隠さなければならない秘密だよね。
 米国はAKタイプの突撃銃の採用が遅れた。これは米陸軍には独立戦争当時からの伝統の誇りがあって、「長距離マークスマン」という自己キャラクターをもっていたからだ。
 ※シュツルムゲヴェールが西部戦線には東部戦線ほど回されず、最前線の米軍は独歩兵には基本的に戦車で応対したのでMG42ほどには脅威を覚えなかったこと。米軍にはジープとウェポンキャリアがあったので重い小銃弾薬をふんだんに最前線まで推進できたこと。これが理由だろうね。
 AKが出来の良い銃だという話すら、真実ではないんだ。AKは共産圏の計画経済によってマスプロされたろ。ユビキタスに見かけるから、あたかも名銃のように思われているだけでね。もしリヒテンシュタインで発明されたとしたなら、誰も評価してくれず、いまごろ、忘れられていたろうね。その程度のレベルでしかない。
 しつもん。でもベトナム戦争中のM-16はひどかったじゃないですか。あなたのは、フェアな比較ですかね。
 僕は M16A2 を 1980s から 1990s にかけて海兵隊で持ってたけどね。実弾射撃でジャムったという話を、いちども聞いたことはないよ。
 AKは、ちょっと射距離が伸びると、もう当たらなくなるんだ。これは良い銃とは言えないんだよ。
 ※この本は一次資料がてんこ盛りみたいだから、どこかの体力ある出版社で訳刊したら有意義だよ。


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■ 新刊ご紹介
http://sorceress.raindrop.jp/blog/2018/02/#a001955
2018.2.10
「 並木書房さんから、ゴードン・ロットマン氏著、床井雅美氏監訳、加藤喬氏tr.の新刊『AK-47ライフル』を頂戴しましたので早速拝読。」
「 カラシニコフ氏の前半生についての大きな謎、「捕虜のドイツ人技師からどのくらい助けてもらったのよ?」には、今の段階でも最終回答が出ちゃいないようだな、と感じました。
 シュツルムゲヴェールと内部システムが違っていることは、ドイツ人の設計関与がなかったことを保証しませんからね。」


2018年9月2日日曜日

2018-09-02 対艦トマホーク

対艦トマホーク


See Tomahawk missile strike a ship
https://www.youtube.com/watch?v=TOfNNyvplWk
2015.2.12
※コンテナを積み上げた仮想ターゲットへの射撃。


http://sorceress.raindrop.jp/blog/2017/09/#a001880
2017.9.13
「 Sydney J. Freedberg Jr. 記者による2017-9-11記事「Tomahawk Vs. LRASM: Raytheon Gets $119M For Anti-Ship Missile」。」
・トマホークには元来TASMという対艦型があったが、無関係な船に命中してしまう危険性を排除できなかったので90年代末に廃止されていた。
・問題解決のめどがたったので、2015年8月に海軍から開発予算がついた。それまではレイセオンの自社プロジェクトだった。


http://sorceress.raindrop.jp/blog/2018/05/#a002006
2018.5.23
「 JOHN M. DONNELLY 記者による2018-5-22記事「Navy’s top-dollar stealth fighter may not go the distance」。」
「 トマホーク・ミサイルはレンジが1000海里=1852kmである。米海軍はこれの対艦バージョンを四年後から配備する。」


※TLAM-E = ブロックⅣ をアップグレードする形になると思われる。