2018年1月1日月曜日

2018-01-01 正論クロスライン(兵頭二十八)


※正論のコーナー「クロスライン」における兵頭二十八氏の連載、のメモ。最終回が2012年8月号であることは分かったが、連載がいつから始まったかは未確認。
※「クロスライン」というコーナー内の記事なので国会図書館のデータベースでは検索してもヒットしないと思われる。


2006年4月号
▲皇室廃絶運動の背後史 pp.48-49
 明治政体が海外に認知されて以降、あまたの「皇室実質廃絶」運動が、執拗に内外で画策されてきた。
 ルース・ベネディクトは、「太平洋の島々に散見される神聖首長(Sacred Chief)こそ天皇の原型である」と戦時中にあっさりと言い当てた。
 マル歴=1927年以降、革命の下準備として日本史も記述したいと念ずる人々の歴史観=マルクス主義史観。


2007年4月号
▲電波による選挙干渉を防げ
 もし敵に関する完全な情報を得てから決断を下すのなら、国民はなにも有能な司令官を選挙で選ぶ必要はない。ニートでもできるからだ。愛国的な政治家は「十」の情報のうち三、四しか受け取れない状況で決心しなければならない。
 現実には国政選挙の候補者情報が公平に制限されるような制度は考えられまい。これまでも特定政治勢力を贔屓するマスコミ内部の人間は工作を試みてきた。電波による選挙干渉が一度も実行的に処罰されたことはなく、やり得になっている。
 インターネット選挙運動を解禁し、「衡平」を取り戻さねばならない。インターネットの特徴は、たとえマイナーな発信者であっても、正しき警世のテキストや音声は消えずに残ること。
 インターネット解禁の他に、「不在者投票の即日開票」もやれば、厭でも投票率が高まるだろう。


2009年3月号 
▲「属国日本」の現実 pp.48-49
※田母神俊雄論文ネタ


2010年12月号
▲中共から国境を守るために pp.46-47
 オバマ政権は増長するシナに警告する意味で9月に臨界前核実験を実施。シナはこれに対して長距離弾道弾の実射をやったらしいが失敗したようだ。
 空自はノースロップ・グラマンのグローバルホーク(最新版なら対人監視レーダー、ブロードバンド中継局機能、携帯電話盗聴機能まであり)を調達するようだが、これは海上保安庁にこそもたせるべきだ。
 防衛省と日本の電子機器メーカーは北朝鮮のミサイル監視衛星の代用品としてグローバルホーク級を望んでいるのだが、アメリカでは、雲量が多い極東ではむしろ雲の下を飛行するプレデター級のほうが適任ではないかと考え直している。
 昭和11年に「日独防共協定」が成立すると、東京の内務省にゲシュタポが乗り込み、新聞にドイツの真実が書いてあれば猛然と抗議した。「ナチ」「ドイツ」を「中共」「北朝鮮」「韓国」に置き換えれば今の事態と瓜二つだ。
 内務官僚はエリートのくせにナチにたわいもなく籠絡された。だからこそGHQは内務省を解体した。
 米国はドイツからの間接侵略防止のために破約も年に「外国人代理人登録法」を制定、これを1995年にシナ向けに強化したのが「ロビー活動公開法」。外国の宣伝活動に協力した個人や法人、外国人から接待を受けた者は必ず当局に届ける。これはインターネットに詳細は公表される。

2011年01月号
▲現代中共と「善隣」する術 pp.46-47
 平清盛は武官であると同時に海上運輸利権を持つ一政商であった。だから最後まで海賊(廻船業者)の強固な支持を受けていた。頼朝はこれを駆逐するために地域限定で「三光作戦」を義経に許可した。
 シナ人政商も暴力装置の操縦には長けているのが常で、ただの分官がシナの権力者になるようなことはない。つまり現代中共と「善隣」するのはヤクザとシマをめぐって角逐するのと基本変わらない。
 アメリカは2010年の年次報告で三沢や横田もシナの非核弾道弾や巡航ミサイルで破壊されるだろうと警告、シナ周辺の米空軍基地の耐爆化を急ぐよう勧告している。
 グアムでも地下壕化工事が進められる。
 尖閣諸島侵略を諦めないシナは海上保安庁の船に、民間偽装工作船では法的に対抗できないと悟り、海洋調査船とか警備船などのオフィシャルな「準軍艦」を大量生産して投入してくる。
 2010年のシナの演習では、シナ軍の国内戦略機動には鉄道が便りであること、車両部隊の給油は民間のガソリンスタンド頼みであることが露呈した。
 将来機雷戦で石油タンカーと石炭船が沿岸にアクセスできないようにするだけでシナ軍が麻痺する可能性が暗示された。
 キッシンジャーの「核兵器と外交政策」(1957)は、<挑戦されたときに行使することを恐れるような抑止力など、抑止力ではない>と、ポリシーメーカーに注意を与えていた。米国もヤクザからの脅しには、それにふさわしい対応をすることを北京にわからせるようになっている。


2011年02月号
▲対支防衛の要諦 pp.48-49
 シナには、<先に手を出したほうが圧倒的に悪い>と見做す世知がある。
 大東亜戦争中日本軍が防御する島嶼を上陸戦で征服することができたのは米軍だけ。
 ソ連の千島侵攻は樺太での「降伏命令」さえなければ占守島すらも不可能だった。
 対支防御の要諦は、小部隊の島嶼部常駐である。


2011年03月号
▲海兵隊はどこへ行く? pp.46-47
 米国のゲイツ国防長官は、海兵隊用の新型水陸両用車「EFV」を、事実上キャンセル。同時にF-35Bの開発も数年にわたって停止させることに決めた。北京を訪問する前の出来事だ。このタイミングで対支抑止ににらみを効かせる装備の更新は必要がないという意思を示した。
 1943年以来米海兵隊は敵前上陸用に水陸両用式の装甲装軌車を用いてきた。しかし1950年の仁川上陸作戦を最後に、敵軍の守る海岸を水陸両用車で強襲する作戦は皆無となった。ヘリコプターで歩兵や装甲車を運んだ方がいいからだ。ヘリコプターなら敵の守っていない地域を随意に選んで降りられる。
 ゲイツはMRAPという防爆性能に優れた陸上車を海兵隊にあてがって感謝されている。
 海兵隊には優秀な人間が志願して将校となっている。OBが外交と軍事に通暁した議員になったりするので、「海兵隊という軍種も専用装備も、ヘリコプター時代には不要であろいう」という意見は米国ではいつも圧殺される。海兵隊のプロパガンダは優秀なのだ。
 EFVの価格はM1の2倍以上になってしまった。MRAPを導入したゲイツ長官だけがこれに引導を渡すことができたのだ。
 沖縄海兵隊の装備するAAV7も2019年までには廃用される。
 シナは水上を11~16ノットで浮航できる装甲車や軽戦車を持っている。しかしその程度の速力では重火器や対戦車ミサイルのいい的になるだけだ。国内エンジン・メーカーのレベルが低いので、海兵隊をヘリコプター化することもできないのだ。


2011年04月号
▲航空兵器調達資源の集約・集中を
 シナ空軍は当分、重大脅威とはならない。ネックはエンジン。シナの巡航ミサイルも小型・高性能のエンジンをマスターしていないので射程と速力が両立しない。
 西側では「AESA」と呼ぶ複眼無動式デジタル機載レーダーの性能が向上しつつある。
 AESAは、反射の小さな巡航ミサイルを遠距離から発見して迎撃するために開発投資がなされてきた。そして最近分かってきたのは、米軍のステルス機も「見える」ということだ。
 AESAはペンシル・ビーム状の妨害電波を複数の敵に向けて随意に照射することもできる。従来は電子戦ポッドを搭載していたところだが、AESAなら敵機や敵艦の電子回路にピンポイントで目潰しができる。
 米国は自軍機が搭載する電子戦装備は同盟国にすら売らない方針。米国としては自軍仕様と友軍仕様の数種類のF-35ソフトウェアを用意しなければならない。
 日本は純国産のAESAレーダーと、国産の長射程の空対空ミサイルに資源を集約すべきだ。


2011年05月号
▲高圧直流送電網の整備を pp.46-47
 米国で開発された沸騰水型原子炉は、炉心の水温が上がりすぎると「あぶく」が増加して中性子減速を自動的に阻害して連鎖反応の暴走を抑止する。しかし悪い事態は発生した。冷却材でもある軽水が炉心外へ漏出し、埋め合わせが間に合わず、原子炉の心臓部が運転再開が難しいくらいに焼けただれてしまう。
 「製作できるものは、必ず壊せるだろう。」
 水がガスより重く、隙間があれば漏れ出すという性質を持つのに、日本の軽水炉は皆、海水名よりも高い基礎の上に作られた。本来なら地下か、海中に設けるべきだった(=原潜の原子炉)。これならポンプもディーゼル発電機もなしに緊急冷却用海水を流し込める。
 これから新規に作る原発は、冷却を水に依拠しない、「ガス減速、ガス冷却、ガス駆動タービン」型式にすべきではないか?効率よりもリスク回避を重視して小出力を多数分散配置すべきだろう。
 地震の多い島国で水頼りの原発というコンセプトが根本的に危ういのだ。
 世界中で既に実用されている、HVDC(高圧直流)送電網を全国規模で設置すべきだ。
 函館郊外から下北半島までケーブルは敷設されており、北海道電力と東北電力が相互に電力を融通しあえるようになっている。全国をカバーすることは可能なのに、当事者に<最悪事態の想像力>がなければ無駄な投資と仕分けされてしまう。


2011年06月号
▲「マック偽憲法」黙認のツケ pp.46-47
 シナや韓国が艦艇から発射できる巡航ミサイルは沸騰水型原発の建屋の壁を貫けるし、貫通後に弾頭が炸裂すれば天井裏のプールに貯蔵されている使用済み核燃料は飛散する。それは地面に散らばったあと崩壊熱で自燃し、沃素131やセシウム137を吹き上げるかもしれない。
 反原発派すらこのことを指摘しないのだ。彼らもマック偽憲法に拘禁された囚人なのである。
 少なくとも原発の直近に巡航ミサイル迎撃サイトを設けなければ危険だ。
 本年以降可燃性の木造住宅の建設に一切公的補助や優遇を与えてはいけない。
 送電網も「冗長性」を持たせないといけない。発送電分離のスマートグリッドなど目指すべきではない。
 中部電力や関西電力が東電とは別系統の給電線を地下に構築して東電のユーザー(主に工場限定)に対してデュアル給電できるような法的環境が必要だ。
 豆炭を5kg米袋と同じ寸法の袋に入れれば米屋のルートで末端の消費者に届けられる。寒冷地には豆炭、煉炭ストーブを推奨すべきだ。


2011年07月号
▲「テロとの戦い」の新術式 pp.44-45
 あるキーパーソンを除去、懐柔することで、敵集団内の「分業」がどう変化するか。これは誰にも予測できない。
 ビン・ラディンは米海軍の特殊部隊の急襲によって、一国家が領土内に用立てたセイフ・ハウス内で討ち取られた。これによって世界中の反米ゲリラの活動が已むことはない。しかし諸団体の親玉たちは今まで以上に襲撃、そして裏切り(体外通牒)を猜疑し続けなければならない。敵陣営の「分業」は確実に非効率化されるだろう。
 オバマ大統領はこれかの米政府の世界経営に、新しい術式をオプションとして追加したのだ。
 1986年に米英はリビアのカダフィ大佐の爆殺を試みた。作戦は失敗したが、米英政府はカダフィ個人は狙っていなかったと白々しい釈明をした。この態度が間違っていたのだ。国家後援テロを仕掛けられた場合は被害国は「特定個人を指名した(報復)宣戦」もできるという戦時国際法の新慣行を導入して確立しておくべきだったのだ。
 日本国内でも人災が進行中だ。善意の人民は寄付をするよりは有害な政府を打倒すると公言している政治家諸氏に個人献金したほうが、いちはやく苦しみが解消されるだろう。


2011年08月号
▲軍需メーカーなき日本の無力 pp.46-47
 アダムが土から捏ね上げられたとする「旧約聖書」をうけいれてきた西洋人に、遠隔操縦兵器に対する反感などない。ただ、米空軍の将校団は「飛行士になりたくて空軍に入ったのにリモコンなどいじってられるか」という拒絶反応は強い。
 1990年代、CIA長官のゲイツはCIA予算で無人機時代を強引に開幕させ、CIAを(対テロ専用だが)第五の武装軍に育て、国防長官に転身すると旧四軍の無駄な装備計画を整理しまくった。
 センチネルもCIA予算で開発された。
 世界の兵器ユーザーや災害用ロボットのユーザーは「すぐに使えて役に立ち、できればトレーニングやメンテもいらない」装備とサービスのパッケージを求める傾向にある。もちろん名の通ったメーカーはそういったパッケージを提供している。
 今回の原発事故では海外ロボットメーカーは放射能の危険がある場所にも進出した。サービス根性が違う。


2011年09月号
▲自衛隊基地集約の弊を考えよ pp.50-51
 大東亜戦争中に南方へ輸送船を送るときは、各船に資材を分散し、1隻が到着できなくても支障が出ないようにしたものである。
 今度の震災において、福島第一原発の構内瓦礫除去には、リモコン操縦可能な工兵作業者が適任だが、防衛省ではそのようなものを要求してこなかった。次善の策は「施設作業車(工兵作業機)」だが、自衛隊はこれを持ち込もうとはしなかった。代わりに74式を2両、戦車回収車を1両を運び、機動路啓開隊を臨時編成。
 東京電力は民間のリモコンショベル車を手配して瓦礫を片付け、機動路啓開隊は使われなかった。90式を出さなかったのは「出し惜しみ」だろう。
 ソ連崩壊後、基地人員を整理し戦車を移転集約させている。相模原の戦車部隊が残っていればすぐに投入できただろう。「戦車は分散させてはならぬ」という格言は、逆の上首尾例もあるし、そもそも基地についての話ではない。


2011年10月号
▲体験からのソーラー電灯考
 筆者は北緯41度の函館市内にて、単価5000円以下のソーラーライトを6年もさまざまに比較実験をした。日照時間が短い冬季でしかも曇天が続くようなら、冬の長い夜(13時間弱)に一粒のダイオードを点灯させ続けるのはかなり高コストなパネルが必要である。一戸建ての屋根を前部ソーラーパネルにしても、一戸分の照明をまかなえるかどうか、まして冷蔵庫やクーラーなど…
 外装カバーも紫外線焼けに負けないものが要求される。
 北海道より高緯度に位置するヨーロッパでもソーラー電灯を改良するモチベーションは高い。しかし民家の屋根をソーラーパネルにしようという動きはない。日照に不自由ないタイやベトナムで高性能ソーラー電灯が普及したという話もない。やはり商業電力で光らせる電球にまるで太刀打ちできないのだ。
 オランダの風車事情を連想してしまう。オランダですら風車は商用電源の代用になっていない。
※とにかく自然エネルギーはそんなに当てにならぬということだ。


2011年11月号
▲国防とエネルギー一体の視点を
 3月に発生した東北震災では、BWR(沸騰水型原発)の「使用済み燃料貯蔵プール」の外力からの防護は無いに等しいという共通根本欠陥が露呈した。また、日本とその周辺の1、2の国では「沃素131パニック」が損壊原発を中心とする地域や政府の機能をかなり麻痺させ得ることが判明した。
 巡航ミサイルを使って原発の燃料貯蔵プールを破壊できるのなら、わざわざゲリラ・コマンドを送り込む必要はないのだ。
 原発防災では核戦争で日本の給電網が混乱し外部電源喪失、という状況も設定すべきだ。


2011年12月号
▲極東日本のサバイバル武略
 2007年以降、シェールガスを合理的なコストで採掘する技術が米国で進歩したことで世界各国のエネルギー安保の前提が変わった。日本は天然ガスの輸入先はよりどりみどり。中東のシーレーンが切断されてもガス火力発電所なら運転を続けられる。逆に沖合ガス田の価値は長期的には下がるだろう。
 原油の価値は減らない。米海軍がマラッカ海峡を封鎖すれば戦略備蓄ほぼゼロのシナ軍もシナ政府も破滅するという構図は変わらない。だからシナ政府は一次目標としてボルネオの間接支配、二次目標としてサハリンの領土回収を目指している。シナ近傍で原油を確実に大量に得られるのはここだけだから(詳しくは「極東日本のサバイバル武略―中共が仕掛ける石油戦争」を)。
 なぜ工業は農業より急速に進歩するか。「技術新案の試行蓄積サイクルレート」の違いだ。農業は新技術を年に1回しか試せないが、工業は違う。これは「機体及びエンジン」と「電子機器・搭載兵装」の間にも当てはまる。日本はF-35ではなく、将来大出力レーダーを搭載する余裕のある既成の評判の良い機体にこだわるほうがよいだろう。今ステルスである機体も、明日のレーダーの前にはステルスではないだろうから。


2012年1月号
▲拡散する「人民の通信武装」
 アメリカはインドを「ロシアの仲間」から引き剥がすことに成功したが、今度はミャンマー(ビルマ)を親米に反転させようとしているかに見える。ミャンマーは国境に水力発電ダムを建設して電力をシナへ送るというプロジェクトへの合意を一方的に破棄した。
 ミャンマーでも携帯電話は120万台が普及。この携帯電話が世界の途上国で現地政府に反省を強要し、場合によっては政府を打倒してしまう有力な道具になっている。
 アメリカは通信を政府から検閲されないようにできる携帯電話用ツールとしての特殊ソフトを開発させ、拡散させている。


2012年2月号
▲津軽海峡の領海宣言を急げ
 グリーンランドは10年前は「耕作」など不可能だったのに、今では野菜を栽培できるほど氷河が後退しつつある。
 米国は当面、砕氷船の充実には無関心。調査は原潜が担任してきたから。
 将来は津軽海峡も大混雑だろう。領海宣言を急がないと国際海峡に指定されてしまうかも。


※正論臨時増刊号 2012年2月(金正日の死によるもの)にはクロスライン無し。


2012年3月号
▲サイバー窃盗を防ぐために
いかに職員や社員を教育してもフィッシングにひっかかるうつけ者は組織の中に必ず数%存在する。ひと度防火壁をすり抜ければ中の情報はごっそり転送できる。だから防火壁を高くするという投資は効率が悪い。
 米国はB-52からAESA付の無人機を発進させ、シナの工作機関のビル近傍を通過させてコンピュータを破壊するという「報復攻撃」でサイバー窃盗を懲罰する気だ。
 日本では通信用のコンピュータと仕事用のコンピュータを完全に分離するという対策しかないだろう。データのやり取りの手間があるし、ウィルスでメインコンピュータのデータが破壊されるという可能性もあるが、重要データがごっそり転送されてしまうという事態は避けられる。「防火壁」ではなく、「火避けの空き地」である。


2012年4月号
▲「使えぬ軍隊」の抑止力
 米海兵隊は、敵の全軍を「真っ二つ」にしてやれる場所を上陸拠点として好む。シナ大陸なら山東半島だ。山東省を占領すれば、上海以南と北京以北を地理的に分断してしまえる。
 もしシナ軍がボルネオ島に侵攻しそうな様子を見せれば、沖縄の海兵隊が韓国西海岸の基地にローテーション展開することで「山東半島に上陸するぞ」と無言で脅かすことができるだろう。
 1980年代のレーガン政権もオホーツク沿岸への上陸作戦を匂わせてソ連が西ドイツへ突出できないように牽制したものだ。
 米国政治家はもうシナ兵相手の陸戦を二度もやりたいとは思わない。負ける気遣いは無いが数十万もの敵死体が横たわるので後味と茶の間受けが悪すぎる。つまり海兵隊は対シナでは使えない。海兵隊でもそれは自覚して、リストラの危機だと弁えているので、「上陸作戦をやるのかも」と思わせるオーラを発するように努めている。ホワイトハウスはそれを抑止力として役立てることができる。


2012年5月号
▲熾烈なネット工作の時代 pp.46-47
 クラウゼヴィッツは「戦争論」で、<戦争は面白ずくから始められることだってあるんだ>と指摘した。昭和16年の帝国海軍も、1950年の北朝鮮軍幹部にも、「オレたちは勝てるんじゃないか」という楽しい予感があったのだ。
 米国政府はどうも、経済制裁でいじめてやればイラン軍や(少し前の北朝鮮軍)が暴発して自滅戦争を始めてくれると期待していた節があった。
 北京は8年ほど前から<ネット工作隊>を育成して暗躍させている。フルタイムとパートタイム合わせて10万人を超える大組織。


2012年6月号
▲ICBMのハードル pp.50-51
 二国間の距離はユニークだ。だから、戦略ミサイルの射程の意義も国ごとに変わる。
 シナ、イラン、北朝鮮にとっては射程が11000キロメートルなければ自国からアメリカの権力中枢まで届かせられない。
 核兵器後進国の弾頭は、中共がそうだったように、原爆で1.5トン、水爆でも2.2トンになるだろう。
 過去に1-2トンの重量物を1万キロメートル以上投射できるロケットを開発したのは米露支仏日印の6カ国だけ。
 ペイロードと射程を両立させなければならないのだ。
 イランは(2009,2011、2012)と、3回も人工衛星を低軌道に上げた。しかし衛星重量は3回目でも50キロだった。
 北朝鮮のテポドン1号は弾頭重量は100キロ以下だったろう。原爆も2006年は核分裂が起きたのに2009年には核分裂が起きなかった。イランが順位を上げるかもしれない。
※2018年時点では、アメリカは北朝鮮よりイランを優先して対処しているように思える。


2012年7月号
▲機雷戦で「海禁」鎖国に逆戻り pp.46-47
 シナでは、漁船は有事に海軍に徴用され、特設掃海艇や機雷敷設船になる。2005年には演習までやった。
 しかし、シナ軍の機雷戦術は戦争が始まる前、つまり平時に機雷を仕掛け、リモコンやタイマーで活性化させようというもの。シナはロシア製の大深度機雷(水深2000mに設置可能で、音紋に反応してロケット式に機雷が上昇する)も購入したい。
 しかし、機雷戦が始まって一番困るのは中共とシナ経済のはずなのだ。


2012年8月号
▲政体転換闘争からの教訓 pp.46-47
 東條英機はシナからの撤兵を拒否した。国民総動員が続く限り、徴兵権を握る陸相は蔵相より権力が勝るからだ。
 筆者は「大日本国防史」を書いたとき、日本の政体転換闘争は古代からすべて公務員の生涯収入をめぐる闘争であったことを理解した。
※「クロスライン」はこの号で最終回。次の2012年9月号からはクロスラインは無く、「正論壁新聞」というコーナーができている。

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